住宅ローン控除でいくら戻る?年収別シミュレーションと手続き方法を解説

家を建てるときや住宅購入を検討しているとき、多くの方が気になるのが「住宅ローン」ですよね。

住宅ローンには、じつは控除という制度が用意されています。これはつまり「住宅ローンを支払っている人は、その他の税金(所得税・住民税)の負担を少なくできる」というものです。

しかし住宅ローン控除は仕組みが複雑で「自分がいくら受け取れるのかよくわからない」という方も多いようです。

そこでこの記事では、住宅ローン控除の計算方法や年収別のシミュレーション、手続きの流れ、2026年以降の税制改正のポイントまで、わかりやすくまとめています

これから家づくりを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください!

目次

住宅ローン控除とは?計算方法

住宅ローン控除の計算方法のイメージ

住宅ローン控除とは、各年末の住宅ローン残高の0.7%を、その年の所得税および翌年の個人住民税から控除できる制度です。

健太郎

控除できる…という表現がそもそもわかりづらいですよね。「差し引くことができる」ということです。

まず、住宅ローン控除の基本的な計算式を確認しておきましょう。

【住宅ローン控除の基本的な計算式】

  • 住宅ローン控除額=年末時点の住宅ローン残高(または住宅の取得対価のいずれか少ない方) ✕ 0.7%

たとえば年末時点のローン残高が4,500万円だった場合、1年あたりの控除額は次のようになります。

4,500万円 × 0.7% = 31万5,000円

31万5,000円が、所得税と住民税から差し引くことができる計算です。

仮に2025年1月〜12月の間に支払った所得税が合計で25万円だったとします。2026年の2月に確定申告を行い、住宅ローン控除として31万5,000円を申請します。

すると3月頃に、所得税として支払っていた25万円が振込で還付(返却)される仕組みです。

さらに、残った6万5,000円は翌年の住民税から差し引いた上で、住民税の請求が届きます。なお、住民税から差し引くことができる金額は9万7,500円が上限です。

【住宅ローン控除の仕組みまとめ】
住宅ローン控除額=年末時点の住宅ローン残高(または住宅の取得対価のいずれか少ない方) ✕ 0.7%
算出された金額は、支払済の所得税から差し引くことが可能。
所得税を差し引いても残る金額は、翌年の住民税から差し引かれる。
ただし住民税で差し引くことができる金額は9万7,500円まで

住宅ローン控除でいくら戻る?シミュレーションをしてみよう

住宅ローン控除でいくら戻るのかシミュレーションのイメージ

「計算式はわかったけど、自分の場合はいくら戻るの?」という方のために、年収・借入額別でシミュレーションしてみましょう。

年収450万円・ローン残高3,000万円の場合

年収450万円の会社員(扶養なし)のケースで見てみましょう。

ローン残高3,000万円の場合、年間控除額は21万円です。さらに年収450万円の場合、所得税の納税額の目安は約10〜13万円ほどとなります。

つまりこの場合、所得税は全額還付されます。さらに残った8〜11万円は翌年の住民税から差し引かれます(上限9万7,500円まで)。

年収600万円・ローン残高4,000万円の場合

続いて年収600万円の会社員(扶養なし)のケースで見てみましょう。

年末ローン残高4,000万円 × 0.7% = 年間28万円が控除額の上限です。年収600万円(扶養なし)の所得税の納税額の目安は約20万円前後となります。

この場合、所得税は全額還付され、住民税の控除は残りの8万円。上限9万7,500円に達していないため、控除をすべてきれいに使い切ることができます

年収・住宅ローン総額別の控除額早見表

下記は、年収と借入額ごとの控除額(還付金)の目安をまとめた早見表です。

※変動0.8%金利/返済期間35年/ボーナス返済なし/扶養家族なし/夫婦の片方、もしくは両方が40歳未満

年収借入額13年間の総控除額(還付・減税額の目安)
400万円2,000万円151.3万円
400万円3,000万円184.6万円
400万円4,000万円184.6万円
500万円2,000万円151.3万円
500万円3,000万円226.9万円
500万円4,000万円286.3万円
600万円2,000万円151.3万円
600万円3,000万円226.9万円
600万円4,000万円302.5万円
700万円2,000万円151.3万円
700万円3,000万円226.9万円
700万円4,000万円302.5万円

所得税・住民税の金額によっては、控除額をすべて受け取れるとは限りませんが、上記金額分は返還の可能性があると捉えてみてください。

また、ペアローンを組む場合は、夫婦それぞれが控除を受けられます

ただしペアローンの申請はそれぞれの年収・将来の収入変化を考慮した上で、判断することが大切です。一方が育休・時短勤務などで収入が減った時期は、ローン返済が負担になるだけでなく、控除を使い切れないケースもあります。

二人分の収入バランスを長期的な視点で検討した上で、ペアローンの利用を検討しましょう。

住宅ローン控除を受けるための手続き方法と必要書類

住宅ローン控除の計算方法のイメージ

住宅ローン控除を受けるには、1年目と2年目以降で手続き方法が異なります。

購入・建築から1年目

家を購入、もしくは建ててから入居し、その翌年の2月16日〜3月15日に確定申告を行います(還付申告のみの場合は翌年1月1日から可能)。

申告することで所得税から控除され、還付金として口座に振り込まれます。所得税で控除しきれなかった分は、翌年度の住民税から減額された状態で、住民税の支払い通知が届きます(上限9万7,500円)。

なお、1年目の住宅ローン控除の申請には、以下の書類が必要です。

書類名入手先
確定申告書税務署、国税庁サイト
(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書税務署、国税庁サイト
住宅ローンの借入残高証明書融資を受けた金融機関(10月〜11月頃送付)
土地・建物の登記事項証明書法務局
売買契約書または建築請負契約書のコピー不動産会社、ハウスメーカー
源泉徴収票勤務先(会社員の場合)
マイナンバーカード(または本人確認書類)市区町村役場
住宅性能を証明する書類(認定長期優良住宅、認定低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅などの場合)不動産会社、ハウスメーカー

購入・建築から2年目以降

家を購入、もしくは建ててから2年目以降の場合、住宅ローン控除の申請は以下の方法で行います。

  • 会社員(給与所得者):勤務先の年末調整で手続きOK
  • 個人事業主・フリーランス:初年度と同様に毎年確定申告が必要

会社員の場合、年末調整の時期に以下の書類を会社に提出します。

  • 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書
  • 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書

個人事業主・フリーランスは自分で確定申告を行いますが、1年目に提出を済ませている「土地・建物の登記事項証明書」と「売買契約書または建築請負契約書のコピー」、「住宅性能を証明する書類」は不要となります。

住宅ローン控除はいつ戻ってくる?

住宅ローン控除はいつ戻ってくるのかのイメージ

所得税の還付は、確定申告後に審査が通れば原則3月中に振り込まれます。e-Taxでの申告であれば、さらに早く2〜3週間で振り込まれるケースもあります。

住民税からの控除は現金での還付ではなく、翌年度(6月以降)の住民税額が減額される形で反映されます。「お金が返ってきた!」という実感はないかもしれませんが、確実に節税になっているので、安心してください。

住宅ローン控除の適用要件

住宅ローン控除のイメージ

住宅ローン控除を受けるためには、以下の共通条件をすべて満たす必要があります。

  1. 新築・取得から6か月以内に住み始めていること。
  2. 控除を受ける年の12月31日まで住み続けていること。
  3. 床面積・所得の条件を満たしていること。
  4. 10年以上の住宅ローンを組んでいること。
  5. 複数の家がある場合、主に住む家であること。
  6. 一定期間内に、他の不動産関連の税制優遇を受けていないこと。
  7. 親族など特別な関係の人から購入した住宅ではないこと。
  8. 贈与された住宅ではないこと。

さらに、住宅の種類や居住開始年によって、住宅ローンの「残高金額」の上限が異なります。

新築の場合

住宅の種類居住開始年年末残高の上限控除期間
長期優良住宅・低炭素住宅2022〜2023年5,000万円13年
2024〜2025年4,500万円(子育て世帯等は5,000万円)13年
2026〜2030年4,500万円(子育て世帯等は5,000万円)13年
ZEH水準省エネ住宅2022〜2023年4,500万円13年
2024〜2030年3,500万円(子育て世帯等は4,000万円)13年
省エネ基準適合住宅2022〜2023年4,000万円13年
2024〜2025年3,000万円(子育て世帯等は4,000万円)13年
2026〜2027年2,000万円(子育て世帯等は3,000万円)13年
その他の住宅(2023年までに建築確認ができた建物についてのみ)2024〜2030年2,000万円10年

中古住宅の場合

中古住宅でも住宅ローン控除は受けられます。入居時期や所得、床面積、ローン期間などの基本条件は新築住宅と大きく変わりません。

ただし、中古住宅では控除期間や借入限度額が新築と異なる場合があります

また、省エネ性能や耐震性を証明する書類が必要になることもあるため、購入前に対象となる住宅かどうかを確認しておくことが大切です。

リフォームの場合

所得や床面積などの要件を満たしていれば、リフォームの場合でも住宅ローン控除を受けることが可能です。

年末残高の上限控除率控除期間年間最大控除額最大控除額(合計)
2,000万円0.7%10年14万円140万円

適用期間は2022年1月1日から2030年12月31日まで。2026年税制改正により適用期間が5年延長されています。

また、リフォームの内容によっては「住宅特定改修特別税額控除」も利用できます(2026年度改正で適用期間が3年延長)。耐震・バリアフリー・省エネ改修などが対象です。

令和8年度住宅ローン控除税制改正の変更ポイント

令和8年度住宅ローン控除税制改正の変更ポイント

2026年(令和8年)の税制改正では、住宅ローン控除にいくつかの変更が加えられました。ポイントを整理します。

  • 住宅ローン控除は2030年まで延長(従来の予定より5年間延長)
  • 控除率0.7%はそのまま変更なし
  • 新築住宅の借入限度額は一部引き下げ(省エネ基準適合住宅は2026〜2027年で2,000万円に)
  • 子育て世帯・若者夫婦世帯は借入限度額の引下げが一部ストップ(据え置き措置あり)
  • 省エネ基準を満たさない「その他の住宅」は対象外となり厳しくなった
  • 床面積要件が緩和され、40㎡以上でも対象に(ただし合計所得1,000万円超または子育て世帯等以外は50㎡以上)
  • 災害リスクの高い場所にある住宅は対象外となるケースが追加

近年のハウスメーカーは長期優良住宅やZEH水準省エネ住宅の認定を取得するケースが増えています。機能性の高い住まいは控除条件もより有利になる傾向にあるため、現代の基準に合わせた家づくりを計画することは、暮らしの快適性だけでなく費用面でもプラスになるでしょう。

まとめ

住宅ローン控除を申請することで、まとまったお金が返ってきます。ただし、戻ってくる金額は納税額の範囲内であること、住宅の種類・居住開始年によって上限額が異なることを覚えておきましょう。

また、住宅ローン控除はずっと続くわけではありません。最大期間は13年のため、13年が過ぎたら所得税の負担が増えることも、頭に入れておきたいポイントです。

少し複雑な内容ではありますが、住宅ローン控除は覚えておくとメリットも豊富にあります。ぜひ記事を参考にして、資金計画を立ててみてください。


住友林業での家づくりを検討中の方は、紹介制度の活用もぜひ視野に入れてみてください。

紹介制度を活用すると、わが家を担当してくれた営業担当者をご紹介できるほか、ウッドタイルやチェスターフィットといった人気オプションを特典として選ぶこともできます。

利用しても契約は必須ではないので、まずは気軽にご相談くださいね。

ご相談いただいた方には、家づくりや費用面の個人的な相談にも僕がのります。住宅業界経験25年以上・FP1級と宅地建物取引士の資格を持っているので、お役に立てるはずです。

※本紹介は住友林業の「ご紹介制度規定」に基づいて行っており、紹介成立時には住友林業から紹介者へ所定の謝礼が支払われます。詳しくはこちらをご確認ください。

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