住友林業と積水ハウス(シャーウッド)の価格や工法・標準仕様などを徹底比較

住友林業と比較されることの多いハウスメーカーといえば「積水ハウス」です。どちらも開放的な間取りや高級感あるデザインが特徴で、家づくりにこだわりを持つ人にとって魅力的ですよね。
似た部分も多い両メーカーのため、「どっちに家づくりをお願いしようかな」と迷う方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、積水ハウスの木造住宅「シャーウッド」と住友林業を比較し、価格・構法・耐震性・標準仕様など、家づくりに欠かせないポイントを詳しく見ていきます。
ぜひ、家づくりの際の判断材料として本記事を役立ててください。
住友林業と積水ハウス(シャーウッド)を徹底比較!どっちがいい?

住友林業と比較検討されることの多い積水ハウス。
「どっちで家づくりをしようかな」と迷う人に向けて、ここからは両社のポイントを比較していきます。
家づくりの判断材料として、ぜひ参考にしてみてください。
どっちが高い?価格を比較
まず気になるのが、建てるのにどれくらい費用がかかるかという点です。以下は、両社の坪単価の目安です。
- 住友林業の坪単価目安:約110万円前後
- 積水ハウス(シャーウッド)の坪単価目安:約120万円前後
現時点では、積水ハウスの方がやや高めの価格帯となっています。
いずれの場合も「住友林業らしい家」「積水ハウスらしい家」を実現しようとすれば、オプション設備の追加などで、坪単価はどんどん上がっていきます。とくに積水ハウスは業界でもトップクラスのハイレベル住宅メーカーなので、あっという間に1,000万以上の予算オーバー…なんてことも少なくありません。
一方で住友林業も木質感や設備にこだわりたい人に人気なので、標準仕様のままでは物足りず、数百万円レベルで予算が超えてしまうことも。
詳しい費用感については、こちらの記事も参考にしてください。

地震に強いのはどっち?耐震性
地震の多い日本では、家の「耐震性」はとても重要なポイントです。
- 住友林業の耐震性:耐震等級3
- 積水ハウスの耐震性:耐震等級3
住友林業も積水ハウス(シャーウッド)も、どちらも耐震等級3を取得しており、最高レベルの耐震性能を誇ります。
等級1 | 建築基準法を満たす最低限の耐震性(一般的な戸建レベル) |
等級2 | 建築基準法の1.25倍の耐震性(病院や学校などで採用) |
等級3 | 建築基準法の1.5倍の耐震性(消防署や警察署などで採用) |
住友林業の耐震構造
住友林業は、自社の構法の耐震性を検証するため、なんと震度4~6弱の揺れを224回、さらに震度7クラスの揺れを22回、合計246回の加振試験を行っています。
そんな過酷な揺れに住友林業の家が耐えられる理由は、「ビッグフレーム構法(BF構法)」という独自の構法を用いているためです。

ビックフレーム構法では、通常の約5倍の幅のある柱を用いて、建物を支えています。さらにこの太い柱と梁、基礎を「メタルタッチ接合」という方法で結合します。

メタルタッチ接合は簡単に言えば、柱と基礎の中にボルトを通して接合する構法のこと。金属部分が露出しないため、建物をより強固に支えることが可能です。
「頑丈な骨の中に、強固な関節が入ってる」といった感じをイメージすると、わかりやすいかもしれませんね。
さらに独自の「WiNX(ウィンクス)」という構造計算システムを用いて、1邸ごとに最適な基礎設計を行います。

住友林業の耐震性に関しては、以下の記事も参考にしてください。

積水ハウス(シャーウッド)の耐震構造
一方で、積水ハウスも245回の加振実験を行い、その中では阪神淡路大震災(震度7)のおよそ10倍のエネルギーを加えたテストも行われます。
さらに注目なのが、東日本大震災の被災エリアで建てられた17万7,488棟のうち、全壊・半壊が0棟だったという実績です。この結果から、「積水ハウス=地震に強い家」というイメージを持つ方も多いようですね。
積水ハウス(シャーウッド)の構法は「シャーウッドハイブリッド構造」を採用。これは建物が変形しにくい「モノコック構造」に同位置の柱で建物を支える「ラーメン構造」を融合した、積水ハウスオリジナルの構法です。

さらに、シャーウッドハイブリッド構造では構造材としては厚さ9mmの構造用合板を使用し、釘のピッチも60mm・120mmという細かさでしっかり固定されています。これにより壁全体が強化され、耐震性がより高められているのです。

基礎部分には「ダイレクトジョイント」という技術が使われています。

これは、柱と基礎を直接接合することで、地震の揺れをより効率的に地面へと伝える構造のこと。耐力壁にかかった力がそのままアンカーボルトを通して基礎、そして地盤へ流れていくことで、建物へのダメージを最小限に抑える仕組みです。
構法と設計の自由度は?
設計の自由度や空間の広がりも、住友林業と積水ハウスを比べるうえで重要なポイントです。
住友林業では、「ビッグフレーム構法(BF構法)」が採用されています。通常の約5倍の幅をもつ極太の柱を使うため、耐力壁がほとんど必要なく、大開口や吹き抜け空間をつくりやすいのが特徴です。

実際、開口幅は最大で7.1mまで対応できます。天井高は標準で2.4mですが、プランによっては勾配天井や天井アップも選べます。
とにかく「柱や壁に邪魔されず、開放的で自由な間取りがほしい」という方にはぴったりな構法です。

わが家もガレージに柱がなく、1つの空間に2台並べて停めることができるようになっています。よくある「1台分のガレージ」を横に並べてつくるつくりではないため、とても広々と感じます。
一方、積水ハウス(シャーウッド)も、構法面での工夫により空間の自由度を高めています。
独自の構造技術により、6.0mの大開口を可能とし、木造でありながら開放感のあるLDKや大きな窓を実現。また、標準天井高は2.7mとされており、住友林業より少し高く設定されています。
もちろん、どちらもオプションによる天井アップやサッシサイズの拡張は可能です。
どちらのが快適?断熱性を比較
断熱性は、夏の暑さ・冬の寒さをどれだけ家の中に伝えないかを左右する大切な性能です。住み心地だけでなく、冷暖房費にも大きく関わってきます。
住友林業は、「360°トリプル断熱」という独自の断熱仕様を採用しています。

床・壁・天井をしっかり包み込む断熱材にくわえ、外張り断熱も組み合わせた三重構造で、断熱等性能等級5以上に対応。さらに窓もアルミ樹脂複合サッシ+Low-E複層ガラスで、高い断熱効果が期待できます。
一方の積水ハウス(シャーウッド)では、「ぐるりん断熱」と呼ばれる断熱仕様を採用しています。

ぐるりん断熱では、その名の通り建物全体をぐるっと断熱材で包み込み、断熱等性能等級5を確保しています。外壁・屋根・床下などをすべて高性能な断熱材で囲うことで、室内の温度変化を最小限に抑える構造です。
ただし積水ハウスは、UA値(熱の出入りの多さを測る値。住友林業は0.41程度と公表)を公表していません。そのため実際に感じる暖かさについては不明です。
しかし僕の知り合いの積水ハウスオーナーによれば、「標準仕様だとUA値は1を切れるかどうか…」といったところだそう。UA値は低いほど「冬は暖かく夏は涼しい家」と言えるので、UA値0.46〜0.46の住友林業と比較すると、積水ハウスはやや室温の快適さは劣る可能性があります。
そのため、家づくりの際は断熱性能のランクアップを検討したほうが安心かもしれませんね。
どちらのがハイグレード?標準仕様の内容
各社の標準仕様を一覧で比べてみましょう。
住友林業 | 積水ハウス | |
キッチン | トクラス(コラージア)LIXIL(リシェル or リシェルSI)クリナップ(ステディア) | Panasonic(ラクシー)クリナップ(ステディア) |
風呂 | トクラス(AXIY)LIXIL(リデア)TOTO(サザナ) | 積水ホームテクノ(バスサルーンエスコート) |
洗面化粧台 | 住友林業クレスト(HGCDシリーズ)LIXIL(ルミシス)TOTO(オクターブ) | LIXIL(クレヴィ)Panasonic(ウツクシーズ) |
トイレ | TOTO | TOTOLIXIL |
窓 | アルミ樹脂複合サッシ | SAJサッシ(アルミ樹脂複合サッシより断熱性能が高いタイプ) |
床 | 無垢板または挽板フローリング材 | 突板フローリング |
建具 | ハイドア | 一般的な高さのドア |
外壁 | 吹付塗装・サイディング | 陶版外壁「ベルバーン」 |
どちらも十分なグレードですが、住友林業は無垢材の床やハイドアなど、標準でも高級感ある仕上がりが特徴です。
一方、積水ハウスは窓サッシにグレードの高いものを採用しているのが印象的。また外壁の「ベルバーン」は重厚感があり、外観の印象を大きく引き上げてくれます。
安心して過ごせるのはどっち?保証内容
保証制度についても、どちらのメーカーも手厚い内容になっています。
住友林業 | 積水ハウス | |
初期保証 | 30年 | 30年 |
保証範囲 | 構造躯体部分防水部分 | 構造躯体部分防水部分 |
無料点検 | 最長60年 | 30年目まで |
延長保証 | 最長60年 | 永年 |
防蟻駆除 | 10年ごと | 10年ごと |
基本的な内容はほぼ同等ですが、積水ハウスの「永年保証」という仕組みは安心感があります。
住友林業も最長60年まで保証が延長できるため、どちらを選んでも長く住むことを前提とした家づくりに対応してくれます。
おしゃれなのは?デザインを比較
デザインの方向性は、両社で少しずつ異なります。
住友林業は、木の質感を最大限に活かしたナチュラルなデザインが得意です。

無垢材や挽板のフローリング、木目を引き立てる内装で、やわらかく落ち着いた空間をつくるのが得意! 和モダン・ナチュラル・北欧テイストなど、自然と調和するスタイルを好む方に人気です。
一方、積水ハウス(シャーウッド)は、外観の重厚感や高級感に強みがあります。

特に「ベルバーン」と呼ばれる陶版外壁は、重みのあるタイル調で存在感抜群。縦長の窓や左右対称のファサードデザインも取り入れやすく、洋風の邸宅風デザインも得意としています。
決め手となるのは?住友林業と積水ハウスに向いている人
住友林業と積水ハウスのシャーウッド、性能もデザインも両社ともに魅力的で、正直「どちらも良さそう…」と感じた方も多いかもしれません。
しかしには家づくりにおいては「何を大事にしたいか」がとても大切なポイントです。これにより、向いているメーカーが変わってきます。
ここでは、住友林業・積水ハウス(シャーウッド)それぞれに向いている人の特徴を、もう少し具体的に見ていきましょう。
住友林業が向いている人の特徴

- 木の質感にこだわりたい人
- ハイグレード設備及び高い断熱性能を求める人
- 塗り壁の外観が好きな人
住友林業が向いているのは、やはり木の質感に強いこだわりを持っている方です。
無垢材や挽板フローリング、そして木目を活かした造作など、木のあたたかみや自然な雰囲気を家づくりの中心にしたい方にとって、住友林業は非常に魅力的です。
また、住友林業は標準仕様の段階で高品質な建材や建具が揃っているため、上質な暮らしが実現できます。360°トリプル断熱による家の快適性も強みです。
さらに標準仕様で「吹き付け外壁」を実現できるのも、住友林業ならでは!自然でありながら高級感を与える外壁が「ワンランク上の家」を印象づけます。
積水ハウスが向いている人の特徴

- 重厚感・高級感を重視したい人
- 解放感を重視したい人
- アフターサービスを重視したい人
一方で、積水ハウス(シャーウッド)は、重厚感のある外観デザインや高級感のある佇まいを重視したい方に向いています。
陶版外壁ベルバーンの存在感や、家具に合わせた間取りの設計など、ひと目で「かっこいい」と感じさせる家づくりが得意です。
また、天井高2.7mや6mの大開口といった開放感を標準仕様で実現できるのは、積水ハウスならではの魅力です。もちろんオプションでの対応も可能ですが、標準の段階でここまでできると、コストとのバランスを考える上でも安心材料になるでしょう。
さらに、保証制度の永年対応など、長く安心して暮らすためのサポート体制を重視する方にもフィットします。
まとめ|家づくりは大きな買い物!じっくり比較検討をしよう
住友林業と積水ハウス(シャーウッド)は、どちらも高品質で安心感のある家づくりができるハウスメーカーです。
「木の質感や内装にこだわりたい」「間取りを自由に考えたい」という方には住友林業がぴったりですし、「外観の重厚感を重視したい」「標準仕様の段階で開放感ある空間をつくりたい」という方には積水ハウスが向いているかもしれません。
とは言っても、どちらもとても良いハウスメーカーであり、最終的な後押しとなるのは営業マンや設計士の技術力や提案力だと思います。実際に「こっちのほうが、担当者が優秀だと感じたから…」という理由で、ハウスメーカーを決める人は少なくありません。
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さらに紹介制度ならではの割引特典もあり!住友林業も積水ハウスも、どちらも僕からつなぐことができるので、ぜひお気軽にご相談くださいね。
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