【新築の固定資産税はいくら?】計算方法や目安・経年によるシミュレーション

家づくりを進めていると、本体価格や住宅ローンのことばかりに目がいきがちですが、住み始めたあとに毎年かかる固定資産税も、気になるところですよね。
固定資産税は、家の大きさや立地条件などによって大きく変化します。金額が事前に分かりにくいこともあり不安を抱えたまま、なんとなく計算を後回しにしている方も多いことでしょう。
そこでこの記事では、FP1級と宅地建物取引士の資格を持つ健太郎が、固定資産税の計算方法や新築の軽減措置などをなるべくわかりやすく解説していきます。
わが家の実際の納税額も公開しているので、新築一戸建ての固定資産税がいくらになるのかの目安として、役立ててください。
健太郎難しく感じる税金の話ですが、できるだけかみ砕いてお伝えしますね。


固定資産税とは


固定資産税とは、土地・建物などに対してかかる税金です。毎年1月1日時点でその資産を持っている人が納税対象となります。



イメージとしては、自動車を持っていると自動車税がかかるのと同じですね。
支払うタイミングは、自治体から送られてくる納税通知書にしたがって、基本的には年4回に分けて納めます。時期は自治体によって多少異なりますが、おおむね春・夏・秋・冬の4回と覚えておくとよいでしょう。
なお、固定資産税は住宅だけでなく、倉庫や店舗などにもかかります。建物や土地を持っていれば、用途を問わず課税の対象になる税金です。
固定資産税はなにで決まる?
建物の固定資産税は、家屋調査員が実際に家の中に入り、次のような項目を調査して評価額を決めます。
- 家屋の平面図
- 建物の構造
- 各部屋の間取り
- 内装部材(内壁・天井・床など)
- 建築設備(風呂・トイレ・キッチンなど)
- 外観調査(外壁・屋根など)
この調査は、正当な理由があれば断ることも可能です。ただしその場合は書面のみでの調査となり、正確に評価されないため、結果的に税額が高くなってしまうこともあります。



「立ち会いたくないから」と安易に断ると、かえって損をする場合もあるので注意したいところです。
固定資産税が高くなる設備や構造とは
固定資産税の評価額は、設備のグレードや建物の構造によっても変わります。ここでは、評価額が高くなりやすいポイントを「構造」と「設備」に分けて見ていきましょう。
【構造で評価額が高くなりやすい例】
- 床面積が広い
- 鉄筋コンクリート造など、木造より頑丈な構造
- ビルトインガレージがある
【設備で評価額が高くなりやすい例】
- 床暖房
- 全館空調
- ハイグレードなシステムキッチン
- 高級ユニットバス
- タイル外壁などの高級外装
- 建材一体型の太陽光発電
- ホームエレベーター
- 防音室
- シアタールーム
簡単にいえば、「お金をかけて立派につくった家ほど、評価額も上がりやすい」ということです。



建築費用だけでなく税金まで高くなる…ちょっと腑に落ちない気もしますね。。。
固定資産税の計算方法


固定資産税は、ざっくりいうと次の3つの要素で決まります。
固定資産税額=「国が決めた評価額」✕「経年減価補正率」✕「標準税率(1.4%)」
このあと具体的にシミュレーションをするので、ここではまず、上記の3つで構成されていることだけ押さえておきましょう。
それぞれの言葉の意味は、次のとおりです。
- 評価額:国が定めた建物や土地の評価金額。建物は建築費の6割、土地は購入費の7割が目安。
- 経年減価補正率:時間の経過とともに、建物の価値がどれくらい下がるかを示した数値
- 標準税率:全国的に基準とされている税率。固定資産税は1.4%です
経年減価補正率は、法務局が公開している以下の補正率表をもとに決まります。
| 経過年数 | 木造の補正率 | 非木造の補正率 |
|---|---|---|
| 1年 | 0.80 | 0.9579 |
| 3年 | 0.70 | 0.9038 |
| 5年 | 0.64 | 0.8569 |
| 10年 | 0.50 | 0.7397 |
| 20年 | 0.25 | 0.5054 |
| 27年(木造下限) | 0.20 | 0.3596 |
| 45年(非木造下限) | ― | 0.20 |
表からも分かる通り、木造と非木造(鉄骨・鉄筋コンクリートなど)で下がり方が異なり、木造のほうが早く価値が下がっていく…と評価されています。



木造は27年、非木造は45年かけて、補正率の下限である20%まで下がっていきます。
建物の固定資産税額のシミュレーション
それでは、実際に固定資産税額を計算してみましょう。
あらためて、建物の固定資産税の計算式は次のとおりです。
固定資産税額=「国が決めた評価額(建物は建築費用の6割・土地は購入費用の7割)」✕「経年減価補正率」✕「標準税率(1.4%)」
たとえば、建築費2,000万円の新築(木造・1年目)の場合、評価額はその6割の1,200万円、経年減価補正率は0.8なので…
「建築費用2,000万円の新築の6割→1,200万円 」✕ 「経年減価補正率0.8 」✕「 標準税率1.4% 」= 建物の固定資産税額13万4,400円
これが基本の計算となります。
ただし新築の場合は、一定期間(3年〜7年)だけ評価額が1/2になる軽減措置があります(詳しくは「固定資産税を安くする方法」の項で解説します)。これを適用すると、評価額1,200万円が600万円扱いになります。
建物評価額1,200万円 ✕ 一定期間の軽減措置1/2 ✕ 経年減価補正率0.8 ✕ 標準税率1.4%=建物の固定資産税額 6万7,200円
軽減措置を使うことで、同じ家でも税額がぐっと抑えられるのがわかりますね。



新築は最初の数年間、この軽減のおかげで負担がかなり軽くなります。
土地の固定資産税のシミュレーション
固定資産税は建物だけでなく、土地にも発生します。
土地の評価額は購入価格の7割ほどが目安で、税率は建物と同じ1.4%です。なお、土地は建物のように経年で評価額が下がる仕組みはなく、3年に1回の評価見直しで、地価の変動に応じて金額が変わります。
ここで重要なのが、土地には「住宅用地の軽減措置特例」がある点です。
これは「住む家を建てた土地なら、税金を安くしますよ」という制度。税金が高すぎると、誰も家を建てられず暮らしも大変になってしまうため、住宅用の土地を優遇する仕組みになっているのです。
ルールは次のとおりです。
- 200㎡以下の部分:土地の評価額が通常の1/6に軽減(都市計画税は1/3)
- 200㎡を超える部分:1/3に軽減(都市計画税は2/3)
実際にどれくらい差が出るのか、購入価格3,000万円(評価額約2,100万円想定)の土地で比べてみましょう。
| 例 | 通常の固定資産税 | 特例適用後の固定資産税 | 特例措置適用前との差額 |
|---|---|---|---|
| 土地100㎡ | 2,100万円✕1.4%=29.4万円 | 2,100万円✕1/6✕1.4%=約4.9万円 | 約24.5万円安い |
| 土地300㎡ | 2,100万円✕ 1.4%=29.4万円 | 200㎡分:1,400万円✕1/6✕1.4%=約3.3万円100㎡分:700万円✕1/3✕1.4%=約3.3万円 合計:約6.6万円 | 約22.8万円安い |
| ここまでのまとめ 固定資産税の基本的な計算方法は次の2つ! A.(建物の建築費用 ✕ 0.6) ✕ (一定期間のみの軽減措置1/2) ✕ 経年減価補正率 ✕ 標準税率1.4% B.(土地の購入費用 ✕ 0.7) ✕ (住宅用地の軽減措置特例 1/3 or 1/6) ✕ 標準税率1.4% |
マンションの固定資産税額のシミュレーション
マンションの場合も、基本的な計算式は戸建てと同じです。
ただしマンションは鉄筋コンクリート造や鉄筋鉄骨造のため、木造の戸建てとは経年減価補正が異なります(非木造の補正率が適用されます)。
また、マンションの場合にも、一定期間の軽減措置(評価額が1/2へ)が適用されます。
【建物の評価額が2,000万円、建築から1年目の場合…】
評価額2,000万円 ✕ 軽減措置1/2 ✕ 経年減価補正率0.9579 ✕ 標準税率1.4% = 建物の固定資産税額 約13万4,000円
なお、マンションの経年減価補正率が下限の0.2まで下がるのには45年かかります。木造が27年で下限に到達することに比べると、マンションは長く高めの税額が続きやすい構造です。
さらに、マンションの土地の固定資産税に関しては、土地全体の税額を各戸の持分割合に応じて分けて負担します。たとえばマンション全体の専有面積の合計が2,000㎡、自分の部屋の専有面積が70㎡の場合は…
70㎡ ÷ 2,000㎡ = 0.035
となるため持分割合は35/1000、つまり3.5%です。マンションの土地全体の固定資産税に対し、3.5%をあなたが負担するイメージとなります。
固定資産税と合わせて請求される「都市計画税」もある


固定資産税の話をするとき、もうひとつ覚えておきたいのが「都市計画税」です。都市計画税は、固定資産税とセットで請求される税金で、計算式は次のとおりです。
都市計画税=固定資産税評価額 ✕ 0.3%
ただし、都市計画税はすべての人にかかるわけではありません。「都市計画区域の中」に土地や建物を持っている人だけが対象です。
自分の家が対象になるかどうかは、自治体から届く納税通知書を見れば分かります。固定資産税と一緒に記載されているので、あわせて確認しておきましょう。
固定資産税の目安・平均は?


固定資産税は建物の状態や土地の大きさなどによって変化しますが、目安としては年10〜15万円前後が相場となります。
ただし、この数値はあくまで目安であり、自分の家があてはまるとは限りません。不安な場合は家を建てる際に固定資産税がどれくらいになりそうか、工務店や住宅メーカーなどに相談しておくとよいでしょう。
固定資産税の経年変化のシミュレーション
固定資産税は、ずっと同じ金額ではありません。新築のうちは軽減措置で抑えられていますが、期間が終わると一度上がるなど、年数によって変化していきます。
ここでは、新築・中古・マンションのケースに分けて、1年目・3年目・5年目・10年目の税額がどう変わるかを見ていきましょう。
新築戸建ての場合


まずは、土地1,500万円・建物2,500万円(合計4,000万円)の木造新築一戸建てのケースです。
| <新築木造一戸建て>土地:1,500万円 + 建物:2,500万円 = 合計:4,000万円 | |||
|---|---|---|---|
| 経過年数 | 土地にかかる固定資産税 | 建物部分にかかる固定資産税 | 合計 |
| 1年 | 2万4,500円 | 8万4,000円 | 10万8,500円 |
| 3年 | 2万4,500円 | 7万3,500円 | 9万8,000円 |
| 5年 | 2万4,500円 | 13万4,400円 | 15万8,900円 |
| 10年 | 2万4,500円 | 10万5,000円 | 12万9,500円 |
5年目に建物部分の税額が一度上がっているのがわかりますね。これは新築の軽減措置(1/2)が終わったためです。



「家が古くなったのに税金が上がった!」と驚く方が多いのは、この軽減終了が理由です。
中古戸建ての場合
次に、すでに築15年が経過した中古戸建てのケースです。
| <中古木造一戸建て>土地:1,500万円 + 建物:1,500万円 = 合計:3,000万円 | |||
|---|---|---|---|
| 経過年数 | 土地にかかる固定資産税 | 建物部分にかかる固定資産税 | 合計 |
| 1年 | 2万4,500円 | 4万6,700円 | 7万1,200円 |
| 3年 | 2万4,500円 | 4万円 | 6万4,500円 |
| 5年 | 2万4,500円 | 3万5,300円 | 5万9,800円 |
| 10年 | 2万4,500円 | 2万7,000円 | 5万1,500円 |
中古は購入時点で軽減措置が終わっていることが多く、新築のように5年目でいきなり税額が高くなることはありません。
また、新築より建物評価額が低いため、トータルの税額も抑えめになっています。
マンションの場合
最後に、鉄筋鉄骨造の新築マンションのケースです。
| <鉄筋鉄骨造 新築マンション>土地:400万円(土地代2億円を50戸で按分) + 建物:3,000万円 合計:3,400万円 | |||
|---|---|---|---|
| 経過年数 | 土地にかかる固定資産税 | 建物部分にかかる固定資産税 | 合計 |
| 1年 | 6,500円 | 12万700円 | 12万7,200円 |
| 3年 | 6,500円 | 11万3,900円 | 12万400円 |
| 5年 | 6,500円 | 10万8,000円 | 11万4,500円 |
| 10年 | 6,500円 | 18万6,400円 | 19万2,900円 |
マンションは鉄筋鉄骨造のため、木造に比べて建物の価値が下がりにくく、固定資産税も長く高めに続く傾向があります。
また、マンションの場合は軽減措置が5年間です。そのため6年目から固定資産税がぐんと高くなります。
築5年以上経過している中古であれば、固定資産税が急に高くなる心配はそれほどありません。
わが家の固定資産税について


わが家は住友林業で建てたガレージハウス付きの平屋です。建物は約44坪(145㎡前後)で築2年です。令和8年に支払った固定資産税は、約15万円でした。



もちろんそれも踏まえた上で資産計画は立てていますが、やはり少し、気が重いですね…(笑)。
固定資産税を安くする方法


固定資産税の軽減にもっとも基本的かつ効果的なのが、やはり新築住宅の軽減措置の活用です。軽減措置では、算出された建物評価額 ✕ 1/2が適用されます。
適用条件は、次のとおりです。
- 2026年3月31日(令和8年)までに建てられた新築
- 住宅の居住部分の床面積が50㎡〜280㎡以下
- 業務などと併用する住宅は2分の1以上が居住部分であること(ただし居住部分の床面積は120㎡が上限)



軽減措置の期限は、もともと2026年3月末まででしたが、税制改正で2031年3月末まで延長されました。
さらに、適用期間は、建物の構造や種類によって次のように変わります。
- 一戸建て:3年間
- 長期優良住宅:5年間、さらに条件を満たせば7年間
- 3階建て以上で耐火構造の住宅:5年間
- マンション:5年間
土地のみを購入する場合
土地にも、固定資産税に対する軽減措置が用意されています。
- 200㎡以下の部分:土地の評価額が通常の1/6に軽減(都市計画税は1/3)
- 200㎡を超える部分:1/3に軽減(都市計画税は2/3)
ただし、これらの軽減措置は「住宅用地の軽減措置特例」であり、更地のままでは活用できません。
土地だけ先に買って何年も寝かせてから家を建てる場合は、税金の負担が重くなります。
固定資産税について覚えておきたい内容


最後に、固定資産税について知っておくと安心なポイントを、いくつか補足しておきます。
住宅ローン控除と組み合わせて考える
固定資産税の負担を考えるうえで、ぜひ知っておきたいのが住宅ローン控除です。
住宅ローン控除とは、年末の住宅ローン残高の0.7%の金額を、最大13年間控除を受けられる制度のこと。
たとえば年末のローン残高が4,500万円ある場合、その0.7%にあたる約31.5万円が、その年の税金から戻ってくる計算になります。新築一戸建ての固定資産税は年10〜15万円前後が目安なので、実質、住宅ローン控除で戻ってきた費用を固定資産税にあてる…という考え方もできます。



実際の控除は所得税と住民税に割り当てて算出されることになるのですが…
源泉徴収をしている場合、所得税に割り当てられる住宅ローン控除は、実際に振込で返還されます。返還された費用固定資産税の支払いにあてることも可能です。
住宅ローンに関しては、こちらの記事を参考にしてください。


固定資産税は年々変化する
固定資産税は、ずっと同じ金額が続くわけではありません。
土地・建物ともに3年に一度評価額の見直しがあり、金額が変動します。また、4年目には新築の軽減措置が終わるため、建物の税額が一度増える傾向にあります。
しかしその後は、経年減点補正によって建物の評価額が下がっていくため、税額も少しずつ減っていくのが一般的です。



ただし、昨今の物価高騰や建築資材の値上がりにより、評価額の見直しのタイミングで、建物の評価額が下がらない、あるいは上がる可能性もあります。。。
「古くなれば必ず安くなる」とは限らない点は、頭に入れておきたいですね。
土地の評価額は購入前に把握しておこう
建物の評価額は完成してみないとわからない部分も多いですが、土地の固定資産税は購入前から判断できるケースも多くあります。
不動産会社に聞けば、おおよその評価額や固定資産税の見込みを教えてもらえることが多いので、土地の契約前に確認しておくとよいでしょう。
軽減措置は申告が必要なケースもある
新築の軽減措置は、基本的には申告不要で自動的に適用されることがほとんどです。
ただし、自治体によっては申告が必要な場合もあります。せっかくの軽減を受けそびれないよう、念のためお住まいの自治体に確認しておきましょう。
固定資産税以外にも!家のランニングコストに備えよう
固定資産税は毎年かかる維持費ですが、家を持つと、それ以外にもさまざまなランニングコストが発生します。
- 外壁・屋根の塗り替え、給湯器や設備の交換などの修繕費
- 家電の買い替え
- 火災保険・地震保険の更新費用
固定資産税は年間15万円前後と高額なため、ついそればかりに目が行ってしまいがちですが、家を持つ際はそれ以外の出費も計算に入れておかなければなりません。
住友林業の家のメンテナンス費用の目安については、以下の記事で詳しく解説しています。気になる方は、参考にしてください。


まとめ
固定資産税は、新築一戸建てでおおよそ年10〜15万円前後が目安ですが、建物の大きさや構造、軽減措置の有無によって金額は変わります。
そのため住宅購入時は「固定資産税が今いくらか」だけでなく「これから先いくらになるか」まで見ておくと安心です。
税金や維持費を含めた「家にかかるお金の全体像」を、家を建てる前にしっかりつかんでおくと、家を建てた後も資金計画でつまずくことを減らせます。
住友林業での家づくりを検討中の方は、紹介制度の活用もぜひ視野に入れてみてください。
紹介制度を活用すると、わが家を担当してくれた営業担当者をご紹介できるほか、ウッドタイルやチェスターフィットといった人気オプションを特典として選ぶこともできます。
利用しても契約は必須ではないので、まずは気軽にご相談くださいね。
ご相談いただいた方には、家づくりや費用面の個人的な相談にも僕がのります。住宅業界経験25年以上・FP1級と宅地建物取引士の資格を持っているので、お役に立てるはずです。
※本紹介は住友林業の「ご紹介制度規定」に基づいて行っており、紹介成立時には住友林業から紹介者へ所定の謝礼が支払われます。詳しくはこちらをご確認ください。


